三次試験の詳細

操縦適正検査
  実際に初等練習機T-3に搭乗して、簡単な操縦技量を検査されます。試験は計4回のフライトに分けて実施され、それぞれの科目ごとにチェック(試験)が行われます。三次試験は5〜6日間に渡って行われ、試験期間中は山口県防府北基地または静岡県静浜基地に泊まり込みになります。この試験は、通称EX(イーエックス)と呼ばれています。

CP−1

CP−2

デモ
練習
チェック
デモ
練習
チェック
普通旋回
×
上昇旋回
×
上昇からの
レベルオフ
×
降下
×
降下旋回
×
降下からの
レベルオフ
×
急旋回
×
×
×

CP−3

CP−4

デモ
練習
チェック
デモ
練習
チェック
普通旋回
×
×
×
×
上昇旋回
×
×
×
×
上昇からの
レベルオフ
×
×
×
×
降下
×
×
×
×
降下旋回
×
×
×
×
降下からの
レベルオフ
×
×
×
×
急旋回
×
×
×

※デモ・・・・・教官による展示操作
※練習・・・・・受験生による練習操作
※チェック・・・試験
※レベルオフ・・上昇、下降から水平飛行への移行操作


[解説]

 実際に飛行機を操縦するのはもちろん初めての方ばかりですので、初日と二日目は主に座学(操縦法)を中心に行います。座学では教官による操縦法の解説のほか、教材(コックピット三面図・ビデオなど)を使った自習などが行われます。また、自由時間内もコックピットのモックアップ(実物大模型)等を解放しており、受験生は自由に練習を行うことができます。三日目からいよいよ実機に搭乗しての検査が始まります。検査はまず教官のデモの後、受験生の練習があり、そして本検査という順序で行われます。しかし、検査が回を追うごとに教官のデモや学生の練習は無くなり、4回目のフライトではいきなり本検査となります。
 検査では、操縦技量の優劣よりも4回のフライトでどれくらい成長するか、教官の助言をどれだけ操作にフィードバックできるか、などが判断されるようです。同時にエアシック(飛行機酔い)等も見られているようです。(ただし、飛行機酔いしたから不合格というワケではないようです)また、フライトの後には必ず尿検査が行われ、上空での生理的な変化の度合いを検査されます。
 まあ、このように書くととても難しい試験のように感じますが、本物の飛行機を自分の手で操縦できるチャンスで、とても胸躍る体験をすることができます。EXでの体験は、検査の合否に関わらず一生の思い出となるでしょう。


医学検査
検査項目 内 容
身体検査 心電図・視力の検査など
[解説]
 簡単な医学検査です。心電図と視力の検査があります。また、二次試験で保留項目(条件付き合格)があった人はその部分の再検査が行われます。視力検査は二次試験と比較して簡単な物ですが、基準以下だと受験ができませんので、二次試験合格後も不摂生は禁物です。


口述検査(面接)
検査項目 内 容
口述検査 試験官による面接など
[解説]
 再び試験官による口述検査があります。ただし、この検査は圧力面接です。受験生の言った言葉の揚げ足を取ったり、回答に困るような質問を浴びせられた受験生もいたようです。当サイトのスタッフの場合は、「君は長男なのに、親の仕事を継がずに自衛隊に入るなんて、親不孝だと思わないの?」と聞かれてちょっと返答に困ってしまいました。